患者数が過去最多に。人食いバクテリアの正体はどんなものなんでしょうか。

別名”人食いバクテリア”とも呼ばれ、恐れられている「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。実は今年に入っての患者数は日本全国で442名との報告があり、過去最多となっていることが判明しています。

この「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は突発的に発症するレンサ球菌による感染症のこと。急激に多臓器不全に進行するβ溶血を示すレンサ球菌による敗血症性ショック病態のことであるとされていますが、一体どのような症状が起こるのでしょうか。
出典:http://www.nih.go.jp 国立感染症研究所HP

【劇症型溶血性レンサ球菌感染症 その症状とは】

初期症状としては、発熱や悪寒などの風邪様の症状、四肢の疼痛や腫脹、創部の発赤などが見られます。発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、筋肉周辺組織の壊死を起こしたり(このことより、「人食いバクテリア」と呼ばれることもあります。)、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。
出典:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp

【どうやって感染するのでしょうか】

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者の傷口・創部への直接接触によって感染すると言われています。
出典:http://idsc.tokyo-eiken.go.jp

【治療法は?】

医師の集中管理のもと、抗菌剤による治療が行われます。筋膜炎の場合は、壊死を起こしている部分を切除し感染の拡大を防ぎます。重症化のリスクを下げるためには、早期に治療を開始することが重要とされています。

【そもそも予防はできるのでしょうか?】

傷を清潔に保ち、創部の発赤や腫脹、痛み、発熱など、感染の兆候が見られた場合には、直ちに医療機関を受診することが必要です。

国立感染症研究所の見解としては、「なぜ劇症化するのか詳しく分かっておらず、けがをした場合には、きちんと消毒して病原菌が入らないようにしてほしい」とされているようで、厚生労働省も同様に、「細菌が一部の人で劇症化する原因はわかっていませんが、予防には手洗いや、傷口を清潔にすることが、有効である」としています。

参考:厚生労働省HP

単なるケガでは済まされないことがあるのかもしれません。劇症化する原因が詳しく判明しているわけではありませんので、できることはしておきましょう。今回は、”人食いバクテリア”と呼ばれる、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」についてお話ししました。

 

 

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